不機嫌なアルバトロス


「…あ。」


嘘。


私はぐるぐるに巻いたマフラーから、その人物を見た。


「し、志織さん…」


「え、あの人が?!」


隣の憲子も固まっている。


「なななんでここに居るのかな?!」


かなりパニックになって、私が憲子に訊ねる。


「私だって知らないわよっ」


とりあえず、憲子も私も回れ右して、会社に戻る体制になる。


「あ、乃々香ちゃんっ」


はい、フリーズ。