不機嫌なアルバトロス

「…わかった…」



若干むせながら頷く。



絶対、そんなことにならない。


自分はそう決めた。


本当は最初からずっと決めている。



もう、流されない。



決意を新たにして、私はごぼうのスープを飲み干した。




「よし!じゃ、いくわよ」




昼の休み時間がもうすぐ終わる所だったので、少し急ぎ気味で席を立った。




「でも…本当は一体幾つで、どこの誰なのかしらね、その男」




お店を出て、会社までの道のりをせかせかと急ぎ足で歩いていると、憲子が独り言のように呟いた。



私は聞こえないフリをして、黙って歩いた。