不機嫌なアルバトロス

「っ」


息を呑んだ私に、憲子がはぁと溜め息を吐いた。



「やっぱり…「ち、違うよ!」



憲子の声に被せて私は否定する。



「そんなわけないじゃない。だって、私脅されてるんだよ?間違ってもあんな男好きになるわけないよ。たださ、やっぱり不安なんだよ。私の写真万が一でもばら撒いたり落っことしたりされたら、最悪だもん。」



なんとか必死で取り繕った。



「本当に?」


怪訝な顔でこちらを見る憲子に、大きく頷く。



「本当だってば。だから、二週間だけ!付き合ったらサヨナラだから。今日は火曜日だしあっという間だよ。」



なんでこんなに焦ってるんだ、私。