不機嫌なアルバトロス


「今まで黙ってみてたけどね、花音、男関係もっとちゃんとした方がいいよ」



時計を確認すると、憲子はバジルと鶏肉、トマトとモッツァレラの挟んであるパニーニをいじくり始めた。



「そんな風に毎日とっかえひっかえやってたら、絶対おばーちゃんになってもひとりだよ!ふらふらしてるから変な男にも捕まるんだし!」



分かっています。私もパニーニをかじりながら、小さく頷く。



「あとその詐欺師!絶対に関わっちゃいけない人間だと思う。今すぐ!断りなよ。危ないよ」



憲子の言葉に、私は固まった。



断る?



「う、うん。で、でも、私写真…」


「そんなのどーとでも出来るよ。それに!その男。そういうことしないと思う。」



憲子が断言する。