不機嫌なアルバトロス

「こないだ、ひっぱたいた人。花音のお兄さんってどういうこと?」



いきなりの核心を突く質問に、息が止まりそうになる。



あぁ、そうか。あの受付嬢、もう噂を塗り替えてくれているのか。


到底感謝しがたい思いに駆られるが、ぐっと堪えた。



「し、しらない」



ふるふると首を横に振る。



「ほぉ?」



憲子が腕を解いた。



「お待たせしましたー」



そこへ、ランチプレートが運ばれてきた。



なんてグッドタイミング!


心の中でガッツポーズする。