不機嫌なアルバトロス

家に着いて、ふらふらとベッドに寄り、そのまま飛び込んだ。



枕に顔を押し付けて、グスグスと泣いた。



―自分をコントロールできない。


私を見て欲しいと思う時がある。


独占したくなる。


振り向かせたくなる。


でも、どんなに頑張ったって、絶対手に入らない。


なんで逢っちゃったんだろう。


出逢わなければ、こんな苦しい思いをすることはなかったのに。


嫌だ嫌だ。


こんな手の内にない恋愛嫌だ。


心底嫌だ。


なのに、頭の中には、中堀さんの顔が浮かんでしまう。



「好きじゃない…好きじゃない」



ぶつぶつ繰り返し呟いた。


後から後から溢れてくる涙と一緒に、この気持ちも全部流れてしまえばいいと念じながら。