中堀さんの車にはナビが付いているので、途中の道案内はメカが全て担当してくれた。


手持ち無沙汰になって、車内は無言が続く。



「…綺麗な、方でしたね」



とうとう、私は口を開いてしまった。


封印を解いてしまった。


そう思うが、もう戻れない。



「そう?」



そっけない返事だけして、中堀さんはハンドルを回した。



「すごく…お似合いでした」



俯きながら言えば、



「あっそ」



特に大したリアクションもなく、中堀さんは代わり映えしない返答をする。