―本当に、お似合いだなぁ。 降りた二人を、スモークガラスの中から見るともなしに見ていた。 二言三言、上目遣いで彼に話しかける志織さん。 彼は困ったように、少しだけ頭を掻いて、 志織さんの腰を抱き寄せると。 エントランスの明かりで照らされた二人の影が、重なった。 「!」 慌てて、私は目を逸らす。 脈拍が速くなった。 胸を締め付ける力も、強くなった。