「ちょっといいですか?」



「…?」



不思議に思って見ると、先週中堀さんの来訪を私に教えてくれた人だった。



「あの…」



隅っこの方に手招きされて、こそこそと耳打ちされる。


自分自身女子にここまでくっつかれることは経験がなくて、一体何を言われるんだろうと身構える。




「こないだの、、、櫻田さんに会いにきた方は、櫻田さんのお兄様らしいですね?」



「は?」




思わず声を発してしまった。




兄?





断じて違う。


名字を見ればわかるだろう。