日に焼けない生活をしてきたせいか
普通の女の子よりも抜群に
白いその肌は透明感に溢れていた。
髪は黒黒とした腰まである長い髪を
ゴムでぶらんと後ろに一つくくりにしており、
二重の丸い目に前髪がかかっている。

「なんでこんなに世の中平等じゃないんだろ〜‥」

マリンは、中庭のベンチに座って
先ほど帰ってきた数学Iの再テストの
用紙を眺めて、うんうんため息をついた

「はぁ‥お昼ご飯を食べたら教室に戻ってまた再テストの再テストに向けて勉強しないと‥」

お昼時間。落ちこぼれ同然のような
マリンにとって仲の良い友達はいなかった。というのも、なかなかついていけない勉強を補うため休み時間まで勉強を
していると、周りの人はもちろんだけど
寄ってこないから。
じつはちょっと、それが
寂しかったりする。


キーンコーンカーンコーン‥


お昼の終わりを知らせるチャイムに
マリンはお弁当箱を片付けて
サッサと教室に向かう。


「ん〜午後の授業も頑張らないとなぁ、
何かとても楽しい事おこらないかなぁ」


マリンの声が中庭に吸い込まれていった
その瞬間、
後ろで「見つけた‥」という声が小さく
返ってきていた。