「いつもこんな早いの?」

「川島くんこそ、いつもこんなに早いの?」

問いに答えず聞き返した。

「川島くんって...やめてよね?仲良くないみたいじゃん」

「そこまで仲良くないから」

「相変わらず今日も、七瀬ちゃん冷たいねー」

こいつは誰とでも仲良くするし、仲良くなる。

私はこのフレンドリーな性格が少しウザくて嫌いだ。

少しだけ静かな間が空いた。

蛇口から滴るしずくの音が聞こえる。

「なぁ」

「何?」

「今日のニュース見た?女子高生が遺体で見つかったやつ。」

「あぁ、うん。見たけど。」

「あれの犯人って実は『殺し屋』の仕業かもしれないんだってさ。」

「殺し屋??」「そう。『殺してほしい』って言う依頼があれば
誰だって殺してくれるんだって」

「へぇ。そんな人いるんだね。」

七瀬は全く信じなかった。