『女子高校生が遺体で発見されました。』

テレビから聞こえる音を 桜井七瀬 はどうでもいいニュースと認知し、

洗面所へ向かった。

肩にかからないぐらいの髪の毛を手ぐしで整えて外に出た。

夏から秋に変わり外の空気はひんやり冷たかった。

スカートが風で優しく揺れる。

枯れ葉を踏んだ音が目立つ静かな朝。

学校に着いた頃には手が冷たかった。

階段を上がる音が響く。

誰もいない教室が少し不気味だ。

自分の席に座り、時計を見た。

みんなが来る10分頃前だった。

この一人の時間がとても落ち着く。

机に顔を伏せた時、階段から足音が聞こえた。

少しずつ近づいてくる足音に

一人の時間を壊すなと祈る。

が、祈りは届かずその足音はこちらに来た。

「あれ?早いね。一番だと思ったのに。」

私のリラックスタイムを妨害したのは前の席の 川島 廉 だった。