甘いキスのねだり方

あたしはハッと我に帰った



「待ち合わせか?」


「うん…」


「幸せそうでよかった」



弥彦はそれだけ言って


新しい建物へ入って行く



その肩に提げたレコードショップの袋から

見覚えのあるCDのジャケットが

透けて見えた…


あたしの…発売したての数量限定版CD






一輝くんの車に乗り込み


あたしはまず

適当にごはんを食べながら

まったり近況報告できるような場所へ…


と思っていたが



「おすすめの場所があるから行こう!」


の一言で一輝くんは車を飛ばした