甘いキスのねだり方

あたしは確かに

弥彦に振られた身だけど


この先どうするかさえ

教えてもらえないような仲なの⁈



家に帰った後

あたしは思い切って弥彦の部屋を訪ねた


トントン、ガチャ!


「失礼!」


「なんや?」


「………」


弥彦がこの部屋に来た日のような

殺風景に、一瞬言葉が出てこなかった



「まぁ座れ」


促されてカーペットに腰を下ろした


「朝日も来年には卒業やな

進路決まったか?」