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私はきっと、凄く酷い顔をしていたに違いない。天様から言い伝えられたその驚愕で残酷な任務に、私だけでなく他の三人も動揺を表した。


特に、アズはこれまでとは打って変わって怒気を纏う。アズの制御出来ていない怒りは彼自身の能力として滲み出る。


……我が双子ながら、彼は何と馬鹿みたいに感情的なのだろうか……。


「こら、アーズ。落ち着きなよ。……万奈もヒカも、素直に態度に出しすぎではないかい?」


「朋果の言う通りだよ、キミ達。ボクとしても、この件は想定外なモノでね。……メイが関わっている以上、無下にも出来ないのだよ。」


困ったように笑う天様は、あの子の事を口にする時だけはその…例えるならば、硝子のような無機質な口調に隠しきれない愛しさを含ませる。


そしてまた私も、あの子の事を思い浮かべる度に頬が緩む。


「…メイちゃんの事であるから、私はこの件を受け入れるよ。多々羅さんとの件と並行しても、何方にも何ら支障は無いさ。」


問題は一つある。しかも、かなり厄介な大問題が。それでもこの件は遂行する。
私の返答に、天様は淡く微笑する。


天様はもしかしたら、私達で遊ぼうとしているのかもしれない。