■ ■ ■ ■ ■
……私に向かって、懇願の眼差しを向ける彼はいつだって歪んでいた。
決して真っ直ぐでさない眼差しは、けれどとても真摯なもので、何処か矛盾したそれが嫌いではなかった。
きっとこれは、私と秘密を共有するこの人への断罪。
私の秘密を知り、誰よりも私に近付いたこの人は同時に、誰よりも重く哀しい罪を背負った。
全く、不思議だ。……こんなこと、本来ならばあってはならないのに。
微かな拒絶の色を読み取ったのか、私の前に跪くその人はまた瞳を揺らした。
けれども気付かないフリをして、私はいつものように儀式を行う。
穢れを落とす禊の儀式を……。
『…この贖罪に清き制裁を
…柵を断ち切る

