『大瀬くん…っ!』





普段かかってくることのない電話が、俺にかかってきたのは、





6月20日。





南からの電話だった。





南の声は焦っていて、


なにか嫌な予感がした。





『結菜が…っ交通事故にあったんだよ…っ!』




南の声は、泣きそうだった。




いまにも、泣き出してしまいそうな、弱々しい声で俺に信じられない事実を口にする。




「え…………」




しばらく、信じられなかった。



『病院は、七島総合病院…っ!きてくれるなら、きて!』






それだけいって、南は電話を切った。