「日向!」 俺が、結菜の好きな人と同じ名前だからそんなに悲しい顔をするのか? 俺の名前を聞けば、結菜はすぐに顔をあげる。 でもそれは、俺を探しているんじゃなくて "陽向"を探しているんだな。 "陽向"の面影だけを探して、結菜は俺を見てさえくれないんだ。 「…日向。汗、かいてるよ。ハンカチ、貸そうか?」