始業式が終わり、落胆した生徒がぞろぞろと下校する中、私達数人のキョウダイは体育館に残された。

えっちょっ全然理解できないっす。

「じ、じんた?えええっととりあえずおめでと!」

「う、うん、とりあえずありがと!」

選ばれた人たちも殆どがぽーかんと立ち尽くしてる。

そりゃそうだわな、そうなるさ。

って言うか一人の小柄な女の子が泣き出してるんだけど。
そんなに嬉しいか?!

わたわたしているうちに、舞台上から生徒会一行が降りてきた。

「はじめまして、生徒会長の市ノ川梗子です」

ぺこり、と代表して頭を下げた会長に、私達も慌てて頭を下げた。

やっぱり近くで見ると美人だ。
言動の端々から気品があふれ出ている。

「皆さんには生徒会のキョウダイの役目を頼みたいのですが、よろしいでしょうか」

そういわれて、口々に返事をする。
ま、ここまでされて断れるような奴はいないわなぁ。

私の前にハンカチの人もとい矢吹がたった。

むかつくくらいのイケメン。

近くで見ると身長はそんなに変わらない。あ、私が高いのか。

矢吹は私を見下ろしてにやりと意地悪く笑った。

「アンタ、今日から俺の下僕ね。精々頑張って働いてよ」

「は、ふざけんじゃねえぞ。絶対お断りだかんな!」

そんな上から目線で言われてはいそうですかなんて言うわけねえだろ!

って噛み付いたら、ぐいってネクタイを引っ張られた。
いって!

「何反抗してんの、下僕のくせに」

「は……」

「下僕は逆らえない仕組みだから。四ツ谷サン、だっけ?」


破きは私のネクタイに乱暴にタイバーを挿した。
新緑の桜をかたどったそれは、生徒会のタイバーと色違いで、

「逃げらんないよ」

下僕の証。

「よろしくね」




さいっっっっあくだあぁぁぁあああああああ!!!