―四谷月花SIDE―
「びっくりだ」
あの店員さん、多分会長のお姉さんだ。
雰囲気とか見た目は似てるなぁって思ったけど…。
「世間はせまいな」
こんなところに血縁者とは。
さて、私は今、街を恐る恐る歩いてるんだけど。
みんながチラチラとこっちを見る。
やっぱこの服かわいいよね。私でもわかるよ。
「あ、そうだ」
彼らの夢を壊さぬように、私の顔は隠さないと…。
こそこそと身を縮めて歩いていると。
「ねえ、そこのかわいい子さぁ~」
ぽすん、と肩を叩かれる。
「はい?」
振り向くと、見るからにチャライ男三人組。
大学生くらいかな?
ケンカ?!ケンカか?!
私はケンカは買わんぞ!
「今からオレらと遊ばない?」
「楽しいことしよーぜぇー」
にやにや。
ん、これは。
「ナンパっすか?」
「ま、そんなトコ~」
ギャハハッと残りのふたりが腹を抱えて笑った。
