学年三位、頭脳明晰。
知人の中でぴったりはこいつしかいない。
とても屈辱である。
コイツに頭さげるとか、お願いとか。
「私に、勉強を教えて……く、ください」
語尾が小さくなった。
はあ、と言った矢吹は意味を理解してにやにや笑った。
意地悪い顔だ。
「ふぅん。やっぱアホなんだね」
「ぐぬぬっ」
「…いいよ。ただ、そんなヒマないデショ」
確かに、と思った。
しばらくは生徒会の仕事は休み。
その代わり、実行委員と生徒会は体育祭の仕事がくいこんでくる。
ヒマなんてないよね、って話。
「あー、じゃ土日とかは?」
それなら空いてるんだけどなー。
って思って言ったら、
「何それ、ナチュラルにデートのお誘い?」
とすごく驚いた風に言った。
…?
……あっ!
「ち、ちがう!そうじゃなくって、違う!」
男女が土日に出かけるって、そんな意味があったのか!
そうだよね、デートみたいになるんだよな…。
じんたと普通に出かけてたから、あんまり意識してなかった。
「あの、図書館でよろしいでしょうか…」
「敬語がむかつく」
ひどい!
こっちが誠意を持っていっているのに!
「だから嫌なやつって言われるんだよ矢吹!」
思いっきり頭をはたく。
もちろん避けられたけれど。
「それは褒め言葉かな?」
ほんっと、どんな攻撃も効かないやつ!!
