「あーっと。じんたと私、“キョウダイ”になりました」
一応報告しとこう。
伸太さんは目をぱちくりさせて、手からコップを落とした。
「うぉ!」
幸い割れはしなかったけど、伸太さんはまだ固まってる。
「えと、あの?」
「どこの誰なの!」
「ひいっ!」
「ついに男どもが月花ちゃんの魅力に気づいちゃったのね!危ない、危険すぎるわ!」
「伸太さん、それはないと思うぜ…」
「いーえ、男は皆獣なのよ!どこの誰が月花ちゃんに目を付けたの?!」
伸太さんのヒステリックが尋常じゃねえ…。
なんだかんだで、伸太さんはブラコンだしなぁ。
「矢吹……あれ、なんだっけ。まいいや、矢吹矢吹って奴なんですけど、すっごい嫌なやつなんすよ。頭いいし運動もできてイケメンだけど、女遊びも酷いし性格も最悪っす」
渡されたコップを棚に戻しながら伸太さんと喋る。
「しかも私のこと下僕って言うし。お姫様抱っこされたし…」
「……私達の大事な月花ちゃんに…!」
伸太さんの目つきが鋭くなる。
…怖い。伸太さん怒ると怖い……。
