「僕、生徒会長様の“姉弟”になってみたーい」
「ああ、市ノ川さんな。お前ずっと憧れてるもんなぁ」
「うん!ま、無理だろうけどさ」
あはーと無駄に整った顔で笑った。
市ノ川さんとは、中学時代からずっと生徒会に所属している才色兼備のお姉さまだ。
ファンクラブも中等部・高等部の枠を超えて作り上げられている。(じんたも所属中)
美人で頭が良くてやさしくて、到底私なんか足元にも及ばない人。
「月ちゃんは本当キョウミないよね、“キョウダイ”システム」
「だってあれって言いかえれば雑用係りだろ?めんどくせぇの一言につきる」
「だけど!イケメンとか美少女とかと親しくなれるんだよ?!学校のプリンス・プリンセスと会話しようにも親衛隊に阻まれて眺めることしか出来ない僕らがだよ?!」
ふすーっと鼻息荒く語るじんた。
「あーはいはい。イケメンはお前だけで結構だよ。疲れるからな」
「えっなに、月ちゃん僕のことかっこいいって?あったりまえでしょ!かっこいいでしょ!こんな僕が幼馴染なの、自慢でしょ!」
「あーはいはい、かっこいいかっこいい」
ふわふわの茶髪の猫毛とパッチリした瞳、背が高いけれど線の細い体と赤いほっぺは、まあ幼馴染目でみてもかっこいいと思う。
うざい性格がたまにキズだけどさ。
いつも一緒にいるせいで、昔からじんたのファンに色々攻撃されているけど、もう慣れた。
だってこいつ、どんなこと言っても離れようとしねえんだもん。
ただの幼馴染だ、なんていい飽きている。
こいつにも早く彼女が出来て、青春すればいいのに。
