そこから死ぬ気で、ごみとその他に分別し、矢吹がゴミと判断したものはゴミ袋に突っ込んだ。

もくもくと作業をして、あらかた片付いた。

一時間弱、間に合いそうだ。

それと驚いたのは、なんだかんだで矢吹がちゃんと片づけをしていたこと。
一応役員だもんな…。

さっき『マジメにやれ!』とむかついたことが浅はかに思えて、心の中で謝っといたけど。

「下僕にしては上出来じゃない?」

やっぱりむかつく奴だった。


「なあ、この本、棚に戻せば終わるんだけど」

「ん、じゃあ終わったら帰っていいよ」

「え、あ、うん」

思ったより簡単に帰してくれそうだ。
『俺が終わるまで待ってなよ』とか言われそうって思ってたんだけど。

「今失礼なこと考えてたでしょ」

「い、いやそんなことは!あ、そう、脚立借りるぞ!」

「…いいケド、下着見えるよ?」

「お前が見なきゃいいだろ」

タイツはいてるし関係ない。

脚立に体重をかけるだけどぎしぎしと音が鳴る。ちょっと怖い…かも。

五冊くらい本を抱えて、一番上まで上る。

「ひいい…」

ぐらぐら揺れる脚立に怯えながら、本を戻していく。

めっちゃ怖いよ!