「なあ、こういうのって図書委員会がやるんじゃね?」

「こっちの図書室は生徒会が借りてんの。生徒会室よりは静かだし、広いし」

あー、そっか。
生徒会室ってモロ一階の校庭の目の前だもんなあ。

でもよ。

「散らかりすぎじゃね?」

それなりに広いはずなのに、大量のプリント、本、資料、果てはおかしの空き袋までが散らばっている。最早踏む場所がない。

うわ、なんか卒業証書用の筒が出てきたんだけど。

「役員、全員ズボラだから。すごいだらしないよ」

「夢壊れるな」

「生徒会なんてこんなもんだよ」

パイプ椅子にどすりと座った矢吹は、猫のようにあくびをして、

「よろしくね」

と言った。

……は。

「え、え?」

「よろしく」

「ここ、全部?」

「俺も手伝うけどね、五%」

「残り九十五%私かよ!」

「片付けないと帰れないよ~?」

ちらりと時計を見る。

バイトまで、二時間ちょい。
……終わるか?

終わらせるしか、ねえか…。


とりあえずにやにや笑う矢吹の脚を踏もうとしたけど、軽々と避けられた。

悔しい。

うぎいいいいいい…