コンコン

「誰かしら?」

「お母様、私です。リリアです。」

「あら、リリアどうしたのどうぞ中に入りなさい。」

「はい失礼します。」

お母様は体が弱い時がある。基本元気なのだが季節の変わり目になると風邪をひいて寝室に居るようになる。

「お母様は私の見合い写真の話はアル兄様から聞いていましたか?」

「ええ、もちろん可愛い末娘の縁談ですもの。でもお母様はあの中から選ぶのには反対ね。」

「本当に?」

「えぇ、確かに皆さん良い人ばかりですけどあなたの姉達に求婚しているひとたちみたいだし、それにリリアのタイプではなさそうだし。」

母マリナがそう言うとリリアは今まで堪えていた涙が嘘の様にポロポロとでだした。

「お母様。」

なんでお母様はいつも私が言って欲しい言葉を言ってくれるのだろうか。
小さい時もいつもお母様とあの人だけが私の事を理解してくれた。