おまけ



「ゆ…うっ…ぁ…」

「我慢しなくていいんだよ、柚月」


──プルルルルッ、プルルルルッ


「…タイミング悪いなぁもう!」


けーたい(スマホだよ?)のディスプレイを見ると。


「おおぉおかあさん!?」


『もしもし?柚月、今夜遅くなるからゆうくんのお家にいてね!眠くなったら泊まっても構わないわよ〜♪』


「はぁ!?ちょ、ちょっとまっ…」 ブチッ


なんて能天気な母親なのかな…。

「柚月、おばさんなんて?」

私とゆうは、家がお隣の"幼なじみ"でもある。小さい頃は毎週のようにお泊まりしてたっけ。

…てか、ゆうん家に泊まれって…言われた!?

うわああぁぁぁこんなこと言う親がいるなんて私…。


「ゆーつーきー!!」

「んあああ!」


…女子力の無い声め…。


「おばさんなんて?」


「え"っ、と…ゆうん家にいろ…って…」


恐る恐るゆうを見ると。


「…ゆ、う?」


「…ん」

そう言って差し出された右手。


その手にそっと、左手を添える。




公園から家までの道のりを、やわらかな沈黙の中歩いていくうちら。


ゆうも沈黙の良さが分かったんだなー、って思っていたら。



「柚月、…今夜はパーリナイだな」




「はあああああああああああ!?」







わたしの彼氏はまだまだ餓鬼でした。



オワリ