どろんこ公園に着いたのは、空がマジックアワーへと化していた頃。
ここからうちらの家までは5分もないから、ゆっくりと遊んでいられる。
まるで子供に戻ったように雪まみれになって、
霜焼けなんて、今日は気にしないでいいや。とか、
ゆうってこんないい匂いだったっけ、とか、
雪懐かしいな、なんて思ったりして、
気付けば公園の明かりも灯り、一層寒くなっていた。
ぶるるッ…と身震いも覚えた。
──ふわっ…
いつの間にか、私の首にはマフラーが巻かれていて。
ゆうと2人で温まってきたときだった。
「さみーなー」
そう言って、両手を擦り合わせながら息を吐きかけるゆう。
「そりゃ、冷たいもん」
返事を返しながらバックを漁り、手袋をゆうに渡す。
「ん、さんきゅ」
私がいつか渡せたらいいなと思っていた、私とお揃いの手作りミトン。
これ、結構あったかいんだよって言ってるのに聞かないでつけるゆう。
寒いけど、あったかい夜は、ゆうと離れたくないな。