「…私は嫌だよ。」
何を言うか、私だって嫌だよ。
いくら双子だと言ったからって他人として過ごすなんて嫌だ。
これまでの思い出を全部なかったことにするのだから…。
「じゃあ…順番で入れ替わる。
二人とも全く同じ体をしているからコロコロ変わっても誰も気づかないでしょ。」
そうかもしれない。じゃあそれで。一日交代ね。
「千沙ちゃん?起きている?」
話に集中していて気づかなかったけれど、
紘子さんがなかなか起きてこない私を心配して扉の前にきたようだ。
やばい、まだちゃんと話がついていないのに…。
そう思ったときはもう遅かった。
扉は開かれ、紘子さんは口をポカンとあけて硬直してしまった。
こんな紘子さん始めてみた。
