くちづけは

ぎんいろの匙へ

らせんを描く

れいうの温み

ため息は

そらの上へ

らせんが途切れる

のこされた悲しみ

いつしか内に抱えて

つばさを無くした

かぜが

くつうに頬を歪ませる


そんざいを問う

こせいの意味

だれも微笑んではくれないのに

けさも虚しいだけなのに

あたらしい何かを求めても

おとなになったわたしの

がらくた部屋が増えるだけ

つめたい大気と

きまぐれな太陽

ぬかるみに片足つっこんで

けいとの帽子と

るびいがほしい

よばれないなら

うちにこもって


にごりえが蘇る

じかんの中に埋もれたはずの

むかしむかしの物語

あかいリボンをあげる

お帰りが言えないかわりに


とうめいな眼差しが

うつしだすものは

めいろに隠された

いくつもの物語

なまえもまだない貴方が

まほうにかかったその場所で

なぞときはまだ終わらない

ざいあくを数え

しを数え

がくぶちが要りようの写真が

うめきと共に増えてゆく

つかまえてほしい

しからないでほしい

だれにも言わないでほしい

すきでいてほしい

もしも叶うならば

のぞみが叶うなら

はじまりに戻りたい