かなん…

りゅう…

さくや。


この耳に馴染んでいる名前。
馴染みすぎてて逆に思い出になっていた名前。





「………………はは。



…ありえないよね。うん。」


私は信じまいと転校生達を見ずに
再度窓の外を眺める。

さっきと同じように、
なんにも耳に入らないように。


でもわたしの心臓はうるさく、
少し早めのテンポで鼓動を刻んでいた。



「はい、じゃあ今日は時間ないからここまでな。
仲良くなりたい人はこの後話しかけることー。以上。」


適当な先生はすぐにそう言ってどこかへ行ってしまった。