「…じゃあ、私行きますね。」
「え、今来たのに?」
私はゆっくり振り返って微笑む。
「…渡しに来た、だけなので。」
それにこれ以上先輩といると
手遅れになる。
それだけは避けたいの。
「そっか。ありがとな!!」
「いえ。」
グラウンドから離れて下駄箱へ向かう。
その時下駄箱に友達の姿が見えた。
あれは…
「!!!おはよー真央っ!」
私に気付いていて力いっぱい手を振ってくれる。
「おはよー、夏菜(なつな)」
裏表がなくて、正直で可愛くて
私の自慢の親友なのだ。
2人で教室にはいって話し始めると夏菜が、
「そーいえばさ、うちのクラスって他クラスと違って3人人数少ないじゃん?」
「え、あー…そーいえばそーかも。」
すると夏菜がニッと口角をあげて
「…転校生。来るらしいよ」


