そこには
「ーー……龍…」
息が上がっている龍が立っていた。
何してるのこんな所で。
いや、家は確かに近いけど、
まだ龍は部活みて回ってるんじゃなかったの?なんで息、上がってるの?
言いたいことは山ほどあった。
何してるの?って言おうと口を開こうとした時。
「…?お友達?彼氏?」
先輩から出た 彼氏 のワードを聞いて私は言葉が引っ込んだ。
………そうだよね。
私は別に先輩と付き合っているわけじゃない。
私に先輩じゃない彼氏がいたって変じゃない。普通なんだ。
「ーーーっ、りゅ「あれっ」
とりあえず止まった空気をなんとかしようと龍の名前を発そうとしたとき、頭上からお姉ちゃんの声が被さった。
「裕来てるじゃん!真央おかえりっ!
ーーと、あれ?そっちの方にいるのは龍くん?!」
相変わらず高いテンションで一人でもりあがっている。
龍の方を向いて手をブンブン振っている。
「あ、綾さん?
……お久しぶりです」
「え、なに、かしこまらないで!!
ていうか裕早く!私あんまり起きれない!」
「あ、わかったわかった」
目の前で繰り広げられる会話の渦に目を回しそうだ。
ただでさえ今先輩とお姉ちゃんという重い条件に龍。
龍と、どう接すればいいのか未だに見つけていない。
あの日みたいにーーーーー……?


