あの子と私とあいつと君と。



数秒の沈黙。
クラスのみんなも黙りこくっている。


あー、確か次は数学だっけ。
抜き打ちテストあるって他のクラスの子が言ってたかな。
勉強しなくちゃ……


私はひとり、悶々と頭の中で全く違う事に関心をむけていた。


ーーーーーガバッ


「ーーっゔっ……!?」
「まおおおおおおおおおおおっ!!」


突然襲ってきた圧迫感にすぐに対応できずに変な声がでてしまった。

これは……華南かな。

「やっと…やっ、と会えたぁ!!」
「いやー、高校間違ってたらどうしようかと思ってたんだよー!
なぁ、朔弥!!」
「……あぁ。そーだな。」


……懐かしいこのテンションの差と、
鼻を霞む華南の変わっていないシャンプーの香り。