転校生3人組が、目を合わせて人混みを押しのけているのが視界の端に入った。
…まさかね。こないよ。
うん。だって顔伏せてるし大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫……
その三人の影は、私達のよこでピタッと
止まり、そのうちの1人が口を開いた。
「……真央。桐谷真央であってる?」
ーーーーーードクン
大きく、夏菜に聞こえるんじゃないかって程心臓が高鳴った。
顔を上げざるを得なくなった私は
ゆっくり、スローモーションの様に
顔をあげ、窓の反対側、
つまり、3人の方を見た。
「「「まお?」」」
3人はそれぞれの声で全く同じ発音、
全く同じ二文字を私に投げかけた。
……もう確定なのかな。


