拓哉と一緒にガラガラの電車に乗る。


私達が通う如月(きさらぎ)高校は登校時間が遅く、朝の通勤通学ラッシュには巻き込まれずにすむ。


特にすることも無いな、と思いながら拓哉の横顔をぼーっと見つめる。

……ん?
んん?

拓哉の顔って、しっかりみると…

「意外とかっこいい……?」

「え?何が?」

「あ、いや、なんでもない」


いけないいけない、つい声にだしていた、と、思わず口をおさえた。

そういえば拓哉は高校生になってからぐんと背が伸びた。

私は158cmで、拓哉は……もう、170もあるのかな。