ここはあの時の教室......


彼女が来た
あの時と同じように......

「一緒に、還ろう」

俺は知ってる
その言葉の意味を......




俺は彼女に歩み寄り、抱き締める

「えっ」

彼女はしばらく、驚いた様子だった

「悟君......どうして......」
「俺のことが好きだったんだろ?」

自惚れているようでも

「うん」

彼女にとっては十分だ

「嬉しい......ありがとう」

彼女は俺の背中に手をまわす
俺は自分の腰に着いてるホルスターに手を伸ばす

彼女は一層強い力で抱き締める
俺はホルスターから銃を取り出す

抱き締めたまま......彼女のこめかみに......
銃口をあてる......

「さようなら......」

スパァァァァン

教室にむなしく、銃声が響く

彼女の反対側のこめかみから......赤い飛沫が上がった