新しい制服に着替えて髪もキチッとした感じにしてすっかり高校生気分。

「よしっ」

気合いを入れてカバンを持って外に出た。

春の風が優しく吹いている。

「さてと…そろそろ行きますかぁ!」

うーん、と背伸びして遊莉は歩き出した。

高校生活、何が起きるのかわからないけど遊莉はウキウキしてたんだ。

これから、君に会うことも知らずに…。





「遊莉?」

声をかけられたのは学校に向かう途中の信号が赤くなった時だった。

振り向いてみると中学生の時から友達の伊織がいた。

「いお!」

「やっぱり遊莉だ!」

遊莉達はハイタッチした。

久しぶりに見たいおは大人っぽくなっていた。

「久しぶり!」

「久しぶり!いお、大人っぽくなった?」

「えー、嘘だよ!遊莉は…変わんない!」

「あっ、ひどーい」

遊莉はふくれた顔をした。