〈4月30日 午後4時25分です
…紗羅?
俺だけどまだ帰ってないよな
今日 お前に見せたい物があるんだ
いつもの場所で待ってるから〉

ザッ
「もう またこんな所にいた
紗羅」

「あすみ」

「だめじゃん 昨日まで
体調くずして寝込んでたクセにっ
早く中入るよ」

まちに待った新学期

「えっ あすみ彼氏できたの!?」
「えーしかも北高の先パイ!?」
「紗羅 知ってた?」

「ううん」

「声大きいから
塾が一緒でさ…春休みに告られたの」

「ぐぁ~
いいな…
これであすみはあんま うちらに構ってくれなくなるんだ~」

ひしっ

「何言ってんの
私は まだまだ紗羅の面倒みるつもりだから!!」

「だ 大丈夫だよ」

『でた 過保護』

「とかなんとかいってー…
「うっさい…」

あすみ 幸せそう…
春が来たんだね

小さい頃から 体が弱くて
すぐ風邪をひいてしまう そんなに私に
あすみ達は優しくしてくれる

「俺達からもおめでとう♡」

「拓也っ!!
人の話 勝手に聞かないでよっ」

「声がでかいんだよお前らは
てゆーか拓也にもお祝いしてあげなよ」
「こいつね
あのT大付属高校に合格確実って 先生に褒められたの」

「えーすげー
さすが拓也君」

すごーい

「本当あんたは
クラス委員長やったり
サッカー部エースだったりできすぎでしょ」

「本当に拓也ははすごいよな」

拓也君がいると 人が集まってにぎやかになるな
3年生も このメンバーなんだ
嬉しいな
「何笑ってんの 高梨っ」
「!」
「3年もよろしくな
つらいことあったら俺に言えよ」
「うん…」

『拓哉ー』

「…」
「拓也ってさー紗羅によくかまうよね♡」
「えっ!?
そ それはホラクラス委員長だから
私の体がのこと 気にかけてくれてるだけだよ
何その目」

「…紗羅も
そろそろ好きな人くらいつくればいいのになって」



「聞いてよー2人とも~
カナってばひでーのよ」
「本当うるさいあんた達」

「…」

好きな人かぁ
好きな人なんて…

『ねぇ知ってる?
この学校に超カッコイイ先パイいたって

え何それー

お姉から聞いたんだけど顔とかハーフみたいに超キレイでぇ
テストとか 何をやってもトップでぇ
皆 気軽に話しかけられなかったらしいよ

えーすごーいなんて人?』

『名前は
神木 真!! 』
『あ でも彼女いたみたいよ
同じ学年の人で…

うそ~美人!?
いいなぁ
今も付き合ってんのかな』

『…いや 神木先輩は
去年の春に…』

ぎゅっ

(ザァ)
〈紗羅〉

この先 一生できないかもしれない
初めて好きになったあの人を