『優しいよね 拓也君』
『ほら ちゃんと高梨さんにまで
気遣ってる』

…周りをみんなが囲む
この世界はの中心は俺

でも…

『神木君だ
やばっかっこいい』
『聞いた? この前隣町のフットサル大会
神木君 出たらしいんだけど
優勝しちゃったらしいよ~』
『拓也君よりサッカーすごいんだ
テストもダントツだしね』
『でも神木って頑張ってる所見たことないよな
天才だな』

グッ

…なんでなんだ!?
学校ほとんどサボってるあいつが…
なんでこんなに…

《拓也は本当すげーよ》
《努力家だよ》

嘘だ
皆…絶対あいつみたいにはなれないから
「とりあえず」俺なんだろ…?
いくら 頑張っても
あいつには追いつかない
「努力家」じゃない
俺は「天才」って言われたかったんだ
でも…

ドサッ

『ちょっ 神木君満点!?
うそでしょ!?』
『人間かよ』

な…

『おい
なんか落としたぞ』

神木…!!
神木はその手に紙を持っていた
それは そう
カンニングペーパー

『…先生に言うのか 俺のこと
皆にっ…』
『……
何を?』