「…あすみは
真ちゃんのことが好きだったの?」
「……」
「…答えてっ…!!」

ドンッ

「……
悲劇のヒロインのつもり?」
「あ…す」
「いいじゃん紗羅は
ちょっとでもあの人と付き合えたんだから…」
「…紗羅には分かんないだろうね
私がどれくらい神木君を好きだったか
カンタンに話しかけられなくて…
いつも遠くから見てるだけだった
入学してからずっと…」
「なのにあんたは…
ただ皆に守られてるだけのあんたがっ…!!
なんで紗羅なの」

『何言ってんの
私はまだ沙羅の面倒見るつもりだから』

カタ カタ

あすみ…

「でもあんただってかわいそうか
神木君 あんたを置いて どっか行っちゃったんだもんね
結局 本気じゃなかったってことだよ」

「その話 もっと聞かせてよ
…知ってること全部」

ばんっ

「なんで俺を見ておびえるんだ
キミになにかしたっけ?」
「知らないっ
私は何もっ…」
「……!
う わ あっ…」
「あすみ!?」

どさ
「!?
あすみ大丈夫!?」
「さ…沙羅…!!」
「先生…
あすみ何かあったんですか?
すごいおびえてる…」
「…さぁ
怖いものでも見たんじゃないか?」

「保健室行こ…あすみ…」

タン…

「…先生は誰なんですか?
いったい何を知っているんですか?」

あすみ…
私は…
私達の関係は…

【このクラスに嘘をついている人間がいる】

「っ…」

『ダメじゃんっ
昨日まで体調崩して寝込んでたクセにっ』

「……
…う…」
「本当泣き虫だなお前は
そんなに泣いてんだったら
連れてってやろうか
楽しい所」
「…?
…し…」

真…ちゃん…

グイッ

「これ以上かき回すなっ」

バタバタ

「待って
さっきのは真ちゃんの…
先生はもしかしたら…」

ダンッ

「あいつは神木じゃないっ
もういないんだ消えたんだよっ!!」
「きっとあいつはお前のことが重荷だったんだっ
…そうだ所詮 その程度の男だったんだ!!
……大丈夫 俺がついてるから…
ずっとそばに…」

「いらない
私は真ちゃんがいれば
あとは何もいらないっ…!!」

戻って来てよ
真ちゃん

ピー
『…紗羅?
俺だけど』

1人で行かないで

…ジー…

『嘘だろ…』

「ほ
本当に嘘をついているのは…」