思えば、今回は内容が濃かったかもしれない。でも、いつものユウトだった。不器用で、優しくて、時にあたしに見せるかっこいいところ。それがここに全部、詰まっているような気がして、あたしは嬉しかったんだ。
 ユウトが、あたしを支えてくれているんだね。遠くから、優しいエールを送ってくれているんだね。
 ユウト、本当にありがとう。

今日、あたしは少し前に進めた気がした。今思えば、あたしはバカだった。
ずっと待っていてくれているユウトに、心配ばっかりかけて。もう、待ってくれてなんかいないって思っちゃって。
 遠く離れていても、ユウトの暖かいエールは伝わってきたよ。
 全て、現実なんだ。ユウトは、あたしを遠くから支えてくれて、待っていてくれる。
 あたしは、ユウトに返事を書くために、紙とペンを出してきた。
 ユウトに、ありのままの気持ちを伝える、それが今のあたしにできる、唯一のこと。そして、あたしはペンを握った。
 ユウトの、幼いくしゃっとしたかわいい笑顔を思い浮かべながら。
 その笑顔は、今では大人びているかもしれないけど、ユウトは、ユウト。
きっと、変わっていない。 
 そして、あたしは丁寧に、手紙の一行目を書き綴る。
 あの頃、ユウトに誉められた文字で。『夕日、すげぇなー、オレ、こんなきれいな字なんて書けないよ。』 『これにさ、オレの名前書いといてよ。
オレじゃ、うまく書けねぇからさ。』
 そう言ってくれるのは、いつもユウトだけだった。
 涙をこらえて、ペンを進める。