あたしは、急いで家に入ると、そのまま自分の部屋に直行した。
 離れていても、キミの想いが伝わってくる気がして。
 キミの声が、すぐ耳元で聞こえてくるような気がして。


 ━夕日へ━


 元気か?オレは、毎日部活に追われてる。大変だけど、オレが決めた道。だから、頑張るよ。夕日は、私立で大変かもしれねぇけど、体だけは大事にしろよ?お前が元気なかったら、みんなに心配かけるんだぞ。だから、無理すんな。『頑張れ』とは言わねぇ。お前がその言葉に責任を感じるのが嫌だから。そのひとことで、無理しちゃいけねぇから。だから、オレは、『頑張れ』とは言いたくねぇんだ。こんなに冷めたやつでごめんな?でも、応援してもらって元気が出るならエールを送るから。いつでも、オレがエールを送ってやるよ。
 まだ、オレは待ってる。
 夕日を、いつまでも待ち続けてるから。
 また会える日まで、約束を守ってくれるその日までオレは待ってます。
 それじゃあな。


                                          ━ユウト━


 久々に見た。ユウトの少し歪んだ文字も、ユウトの優しい言葉も。 
 これは、夢じゃないんだ。嬉しくて出てくる涙を拭いながら、あたしは笑った。心から。