「っあー!もー、サイアク!」
「あたしもー。何コレ!?」
 予想通り、だけどその現実を受け入れたくはないってやつ。そう、テストの結果は散々だった。
「このままあたしたちは高等部、大学に進学できるのかねぇ」
「ほんっとにね!あー、これから先が心配だわ」
 美優と早奈とあたしは、いつも成績が似ている。だから、悩みも同じようなもの。
「何してんの?」
声のする方を見ると、青田 実希だった。実希は、学級委員を務める優等生。バカなあたしたちとは、真逆のタイプ。
「ああ、青田さん。あたしたち、今回のテストが・・・」
あたしが口を開くと、
「悪かったんでしょ?顔に書いてあるよ。良かったら、3人とも私と陽菜で勉強会するから来る?」
 小山 陽菜は、学年の成績トップを争うまさに天才。でも、威張っていなくて、そのうえかわいい。だから、男子の間ではかなり人気だ。
「行く!」あたしが言うと、あとの2人も「「行くー!」」と叫んだ。
「よし、決まりね」 
 実希は、そう言うとあたしたちを見て笑った。いつもは、優等生で、真面目で、厳しいけれど、実希の知らなかった優しい笑顔を見ると嬉しくなった。 


 その日、家に帰るとあたしがずっと心待ちにしていたものがポストに入っていた。
「手紙だっ!」
 あたしは思わず声をあげた。それは、ユウトからの5ヶ月振りの手紙だった。