「そうか。でも何で急に結婚なんて…」
いかにもガキっぽいことを考えている自分を悟られないよう、平然を装う。
「別に急ってわけじゃないんだけどね。実は結構前から結婚の話は出ていたんだけど、夕イミングが…ね」
高野さんは紗那の高校、大学の先輩で、よき相談相手だといつか紗那が言っていた。
しかし高野さんは紗那にあからさまに好意を持っていた。
それに気付いていなかったのはきっと紗那本人だけだろう。
そんなこんなで高野さんと実際に付き合い始めたのは紗那が大学2年の時くらいだ。