どうか幸せに…

あれからというもの、俺は家に帰りたくない時…だけでなく、紗那に会いたくなると平日休日問わず紗那の家に足を運んだ。
父さんとの問題が解決していないわけじゃない。
ただ単に紗那といたかった。
紗那と過ごす3年間は早かった。
小さい頃は頼れるお姉さんだと思っていた紗那も一緒に過ごす内に案外そうでもないということがわかった。
身長はいつの間にか俺がぬかして、高い所にあるものは取れない。
椅子を使えば落ちるし、料理をすれば手を切る。
テレビのリモコンをエアコンのものと間違えて、
「凌~これ、電池なくなってるのかな~?」
と聞いて来る始末だ。