幼なじみ〈上〉

[ 絢音 ]

暗い夜道を、走り続けた。

ただがむしゃらに。

蒼は悪くない。

何でそんな態度とるんだって、きっと思ってるよね?

でも何で今なの?美々ちゃんのこと心配じゃないの?

蒼の顔がまともに見られない。見るのが辛い。


『…ハァ…ハァ…』

走り疲れて、電信柱に寄りかかる。

何、自分に言い訳してるんだろ。最悪だ、あたし。

あたしは、゛蒼に彼女ができた゛っていう、ただ、その現実を受け入れられないだけ。

『…ぅう…っ…っく…』

美々ちゃん…ごめんね。あたし最低だよ。

蒼のことで泣いてる自分がいる。

美々ちゃんは…今、あたしより何百倍も苦しんでるのに…。

心も身体も痛いのに、苦しいのに、今はあたし…自分のことなんて考えちゃいけないのに…。

ごめんね。弱い自分が…大嫌いだよ…。


道の途中で、夜空を見上げた。

ふとよぎる思い出。

小さい頃…いつだったか、ふたつ並んだ星に名前をつけた。