幼なじみ〈上〉

『もしかして、美々のことと、何か関係あんのか!?黙ってちゃ、わかんねぇだろっ?』

『……』

『何で…何も言わねぇんだよ?俺って蒼の何なんだよ?』

そう言ってケンは俺のネクタイをグッとつかんで、にらみつける。

『蒼が好きなのは、昔からたったひとりだろっ?好きで好きでどうしようもないくせに…』

『…だからだよ』

俺はため息をついた。

ケンにごまかしは利かない。

絢音のことを…誰よりも好きだよ。

今も…これからも。

『絢音を守るには、栞と付き合うしかなかった…』

絢音がこれ以上、泣かないように…傷つかないように…

俺の気持ちなんて、どうでもいいんだ。

絢音が笑ってくれたら…それでいい。

『美々を襲わせたの、栞ちゃんなのかよ…?』

ケンは、信じられないと言う顔で俺を見た。

『高橋が襲われる前…俺、部活の後で栞と話したんだ。俺は何があっても絢音を守るって言った…でも栞は、俺と栞が付き合うことになるって余裕で返しやがった』

おそらく…俺が帰った後、連絡したんだろう。

高橋の後を、尾行させていたヤツらに…。

『いくら何でも…犯罪だぞ?しかも栞ちゃん、女だぜ?そんなこと現実に起きるわけが…』

『でも実際に、高橋はああいう目に遭った』

『なぁ蒼…気は確かか?』