幼なじみ〈上〉

蒼に…彼女ができる日が、いつか来る…。

でも、その彼女があたしなら…そんな夢をいつも見てた…

『俺、気付いてたよ。絢音っちが蒼のこと好きだってこと…』

『幼なじみだからって…蒼を縛れない…だから伝えようって思ったのに…』

昨日からずっと…手を握ってくれてたのに、やっぱり蒼は…何とも思ってなかった。

『何かの間違えだろ…?』

『だってケンちゃんも見たでしょ…?あのふたり手もつないでたんだよ…?』


ーー・・・ガチャ。

その時、屋上の扉がゆっくりと開く…蒼だった。

『おい、蒼!さっきの何だよ…?栞ちゃんと付き合うわけないよな?だっておまえは…』

ケンちゃんの話をさえぎって、蒼は言った。

『付き合うことにした。夏川と…』

確かに聞こえた…蒼の声…。

蒼に彼女ができたんだ…蒼の初めての彼女は栞なんだ…。

一緒に住んでても、幼なじみでも、あたしは彼女じゃない。

彼女になれなかった…。

蒼の隣にいてもいいのは、あたしじゃないんだ…。

蒼の後ろから、ひょこっと栞が現れた。

『…そういうことだから、ふたりとも栞たちのこと、見守ってねっ』

『行こうぜっ…夏川…』

『うんっ♪』