幼なじみ〈上〉

『絢音っち…何だよあれ…』

『ふたりが付き合ったなんて…全然知らなかった…。ケンちゃん…ごめん、あたしちょっと…』

あたしはケンちゃんの横をすり抜けて、教室から出ようとした。

『おい、絢音っち…!』

ケンちゃんの呼び止める声に、振り返る余裕もなかった。

泣きそうで、耐えられそうにない。


あたしは屋上へ向かって、階段を思いっきり駆け上った。

『泣いたらダメ…』

泣いたら…この恋をあきらめることになるもん。

ーー・・・バンッ!

屋上の扉が勢いよく開くと、ケンちゃんが立っていた。

『絢音っち…!』

『ケンちゃん…追いかけて来たの…?』

『ほっとけないだろ…?あんな泣きそうな顔をして…』

『ケンちゃん、あたしね…いつかこんな日が来るんじゃないかって、ずっと、怖かったんだ…』